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「グローバローカル」が世界デビュー
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![]() 写真左 手前左は「ルックアライクベンチ」デザイン:シルビア・ライデッカー、製作:クラフト&デザイン タンノ/潟Rサイン。 ケルン国際家具見本市の中でも、世界の最新デザインが集まる3ホール。カンディハウスのブースの一角に、今年は“Global:Local”(グローバローカル)の黒と黄色のロゴマークがお目見えした。「グローバローカル」は、旭川家具工業協同組合とドイツデザイナークラブ(DDC)による共同プロジェクトである。その最初の製品群が、見本市で実質的な世界デビューを果たした。
「グローバローカル」は、“グローバル”と“ローカル”の合成語である。「伝統的な産業を大切に育んできた“地方”が、その個性を損なうことなく、世界という舞台に出て行くことを目指すものです」と説明するのは、DDC理事のヴォルフ・ウド・ヴァーグナー氏だ。つまり、グローバル化の主役を従来の“大企業”から“一地方の産業”にシフトさせるためのプラットフォームである。同氏は旭川家具工業協同組合の長原實会長とともにグローバローカルを主唱、約1年間にわたりプロジェクトを運営してきた。ケルンメッセが協賛し、企画から出展までをサポートした。 ![]() 右のチェアは「ボロノイチェア」デザイン:ベルンハルト・フランケン、製作:カンディハウス。 ドイツ・旭川のコラボレーションの第一弾として、今回ドイツのデザイナー6人、日本のデザイナー5人による計11点の椅子とベンチが旭川の家具職人たちの手で製品化されたわけだが、その成果が予想以上であったことは来場者の反応が物語っていた。通りがかる人が、木の素朴な美しさと斬新な造形に、まず足を止める。それからあらためてドイツと日本の組み合わせ、グローバローカルというコンセプトに納得した顔になる。ブース内に詰まれた持ち帰り用のグラフィックポスターを大切そうに丸めて持ち去る人が多く、地元メディアによる写真撮影も毎日さかんに行われた。ある中年のドイツ人男性は「バルカ」をつくづくと眺め、「自分は家具職人マイスター。構造や製造方法は見ればわかるが、隅々までよくできている」と感心した様子で話してくれた。 プロジェクトの成功は、旭川をパートナーに得たことが決定的だったとヴァーグナー氏は確信している。「日本各地で家具づくりを見てきましたが、レベルの高さ、協同組合の結束の強さで旭川は抜きん出ていました。ドイツでの経験が豊富な長原氏の存在も大きかった」という。製作中には技術面での調整が何度も必要になる。そのほとんどは日独間でのメールと電話を使った“遠隔操作”だったが、それも驚くほどスムーズに進んだという。「職人たちはデザイナーに大きな敬意を払い、彼らの意図を100%くみ取ろうと真剣でした。作品の出来にはドイツ側デザイナーたちも非常に満足しています」という。一方、旭川の長原会長も、「来場者が『面白そう』と立ち寄ってくれる。グローバローカルが事業としてすぐに成果を上げなくても、市場へのインパクトになればいい。旭川のクラフトマンシップが世界に知られるメリットもある」と、出展の成果を喜んでいる。 今年は日独修好150周年の記念すべき年。ヴァーグナー氏は今後の展開として、まずグローバローカルをデザインカルチャーの新潮流として広く認知させていきたいと語る。当面、ドイツの手工業連盟での講演や各地でのプレゼンテーションに力を入れていく方針だ。同氏はまた、「グローバローカル」が家具デザインに限らず、建築、コミュニケーション、コーポレートデザインなど分野を超えた業際的なものであることも強調する。「総合的なコンセプトとしてグローバローカルを発信し、すべての業種に刺激を与えていきたい」。旭川とのコラボを中核にプロジェクトを他国に拡大することも検討中で、今年は「グローバローカル」が本格的に始動する年になりそうだ。
(2011/03/18) |
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