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高いインテリア性で大人へもアピール
キッズ家具の戦略 2 

ケルン国際家具見本市 レポート 最終回

デザイナー家具で知られるヴィトラ社(ドイツ)は、1960年にヴェルナー・パントンがデザインした“パントン・ジュニア”を製品化し昨年発売を開始、これを今回の見本市でも紹介したのである。「パントンは当時から“パントン・ジュニア”を世に出したいと願っていました。でも当時は子供用家具という発想自体が珍しかった。21世紀の今になってやっと市場が成熟してきた感があります」と広報担当者は話す。カラフルな色、面白味のある造形、ポリプロピレンの柔らかい質感。子供たちは早い時期に“グッドデザイン”に親しむことになるわけだ。小さなコート掛け、壁掛け時計、レイ・イームスのデザインによる象の木製オブジェなどと併せ、おしゃれな子供部屋のイメージが広がっていく展示だった。

ヴィトラ社の“パントン・ジュニア”

ヴィトラ社の“パントン・ジュニア”。7色で発売。座るだけでなく、積み木のように重ねて遊ぶこともできる。
ヴィトラの子供家具のコーナー(右)

さて、キッズファニチャーの花形商品といえば学習デスクである。この分野では例年同様、モル社(ドイツ)のデスクが展示の主役だった。同社のデスクはがっちりしたスチール製の脚と無垢の天板がベース。子どもの身長に合わせて高さを調節でき、天板を付け足せば表面積も拡大できる。姿勢への配慮と長年使うための柔軟性がコンセプトだ。「アジアでも欧州でも教育の重要性が増し、子どもが机に向かう時間もそれだけ長くなっています。子どもたちが良い姿勢を保てるデスクの提供が私たちの使命です」と、同社広報のアンケ・ファン=アーマイデ氏。モル社は今年、東京に直営ショールームを開く計画で、日本市場にも商品がさらに浸透しそうだ。パイディ社、オルグー社(ともにドイツ)も同様に、「子供と一緒に成長する机」を学習デスクの主役として展示していた。

モル社の学習デスク

自他ともに「世界で一番高価な学習机」と認めるモル社の学習デスク。脚の長さを変えて天板の高さを調節する。今年からヨーヨータイプの紐を導入、調節が容易になった。扇形に開く引き出しも新発売。
椅子、スタンド、ラックなど付属品も充実。(右)

オルグー社の学習デスク

後発オルグー社の学習デスクも、コンセプトはモル社と同じ。スチールのごつい感じを、ポップなデザインにうまく利用している。

一方、「子供」ならぬ「ティーンエイジャー」の部屋については、ヴェレメーベル社(ドイツ)の展示が際立っていた。同社は国内1000の家具店に出荷する大手だが、出展規模が大きいだけでなく、ロック少女路線、サッカー少年路線など、部屋をトータルコンセプトでまとめたプレゼンテーションが来場者の人気を集めていた。顧客ターゲットとしては微妙な年齢にあるため、これまでニッチ市場と見られがちだったティーンエイジャー層だが、メーカー各社は今後この分野の成長にも期待している。

ヴェレ社「ロック少女の部屋」

ヴェレ社「ロック少女の部屋」

ヴェレ社の「サッカー少年の部屋」

ヴェレ社の「サッカー少年の部屋」(左)
おしゃれな女の子の部屋のプレゼンテーション。大人と子供の間の微妙な年頃のキッズたちに合う部屋を提供。(右)

最後に、子供部屋のインテリアにかける親たちの“熱意”にも触れておきたい。各担当者たちが異口同音に強調していたのは、「少々高くても子供のためなら、と財布の紐を緩める親が増えている」ことだ。学習デスクに特に顕著だが、これは子供用家具アイテム全般に共通する傾向である。それに応えるべく、メーカー各社は高付加価値・高価格の商品の開発に努める。結果として、少子化にも関わらず市場が確実に成長するという構図が生まれているのだ。

ドイツ在住 田中聖香

(2008/04/17)

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