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男のための「ポルシェ・キッチン」

ケルン国際家具見本市 レポート 1

ポルシェデザインとポゲンポールのキッチン ケルン国際家具見本市

今回3年ぶりに登場したキッチン部門の展示のハイライトは、ドイツの高級キッチンメーカー、ポゲンポールがポルシェデザインと共同開発したキッチンP‐7340だった。キャッチフレーズは“男のためのキッチン”。展示ブースに入ると、クールで無機的な存在感に圧倒され、「これがキッチン?」といぶかってしまう。生活臭ゼロで、実用目的というより人に見せるためのキッチン。そう、まさに車のポルシェと同じイメージをもつキッチンなのである。

P‐7340は、ポルシェデザインとポゲンポールのエンジニア半々から成るデザインチームが考案した。
(写真提供:Poggenpohl)

P‐7340の存在感は、素材の高級感とダークな色づかいからくるものだ。デザインの中核となっているフレーム構造と、棚の枠組みの両方に使われているのは、チタン風仕上げの最高級アルミニウム。アルミはポルシェデザインが電気ポットなど家電シリーズに一貫して使っている素材で、独特の鈍くひんやりした質感がある。フロントはガラス5色、ドリフトウッド濃淡2色の中から選ぶが、どの色を組み合わせても渋い大人の色あいが生まれる。

クールなデザインだけでなく、ハイテクをふんだんに取り込んで、使う人にマニアックな歓びを感じさせるのもP‐7340の特徴だ。まず、棚や引き出しが半自動で開閉できる。表面を指で軽く押すと自動的にすっと適度な幅まで開き、閉めるときも軽く指で戻すだけで、あとは自動で収まっていくのだ。この技術によってグリップレス(取っ手なし)が実現し、フロントの余分な凹凸が排除されるデザイン上のメリットも生まれている。オーブンやコーヒーメーカーなどの電化製品はすべてミーレ社(ドイツ)との共同開発。これもボタンやツマミはなく、すべてセンサーキーで操作する。マルチメディアの液晶モジュールをオプションで組み込むことも可能だ。ちょうど男性がクルマに求めようなハイテクへのこだわりを、ポルシェ・キッチンも意図しているのである。

男性の圧倒的な人気を得ていたポルシェ・キッチン ケルン国際家具見本市

アルミのフレームがデザインの要になっている(写真 左)
男性の圧倒的な人気を得ていたポルシェ・キッチン(写真 右)

さて、“男のためのキッチン”をコンセプトとするキッチンを開発したのは、ポゲンポールが初めてである。「女性を排斥するわけではありませんよ(笑)。ただ、顧客イメージとしてリッチでセンスの良いハイクラスの男性、ちょうどポルシェを運転しているような男性を想定しているのです」と同社広報担当のジャン=ペーター・コーバーシュタイン氏は説明する。「ハイエンドのユーザーを狙う点で、P‐7340は当社マーケティングのハイライト。最高級キッチンメーカーとしての当社の面子を担う存在です」と言う。

このポルシェ・キッチン、価格はオーダーごとに異なるが、目安としては「一番シンプルな装備のポルシェ1台分くらいと考えてほしい」。普通の市民には高値の花だが、5月の生産開始を前に、同社ウェブサイトの予約リストには既に申し込みが入ってきているそうだ。“リッチでセンスのよい男たち”は、このキッチンでどんな料理をつくるのだろうか。

http://www.porsche-design.com
http://www.poggenpohl.de

ドイツ在住 田中 聖香

(2008/03/05)

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